コラム

早咲き桜が開花した景色に春を感じる今日この頃です。心地よい気候にもかかわらず、気持ちが季節の変わり目についていけないと感じる人もいるかもしれません。春特有の環境変化や疲れ、寒暖差の影響で自律神経のバランスを崩しやすいことが関係しているようです。特にシニアの方々にとって、頑張りすぎず、自分を労るケアは重要です。そこで今日は、健康的なシニアライフを送るための鍵として「呼吸」の大切さをご紹介します。

シニアにおける「呼吸」の重要性

年を重ねると共に、体力が落ちたり、物覚えが悪くなるなど、心身全体の衰えが目立つようになります。肺機能の低下もその一つで、これが原因で十分な酸素を取り込むことが困難になり、疲れやすさや不調を感じることが増えます。呼吸の役割は、ただ息をして生命を維持するだけではありません。取り込んだ、酸素は身体中を巡り、脳や筋肉など、さまざまな臓器や器官を動かすために使われます。呼吸が充分でないと、体は酸欠状態に陥り、血流が悪くなり、免疫力も低下して不調の元になる悪循環になってしまいます。逆に、深い呼吸は、より多くの酸素を肺に取り込むのを助け、血液を通じて全身に酸素を運び、健康を促進する利点があります。

呼吸で自律神経をコントロール

呼吸は自律神経をコントロールする唯一の方法です。特にシニアに推奨される呼吸法の基本は「腹式呼吸」で、深い呼吸を促しリラクゼーションを助ける手法です。この方法を行うには、以下の4つのステップを実践します。（１）リラックスできる姿勢で座るか横になります。（２）一方の手をお腹に、もう一方の手を胸に置きます。（３）鼻からゆっくりと深く息を吸い、お腹が膨らむのを手で感じながら行います。（４）口からゆっくり息を吐き出し、お腹が引っ込むのを感じます。日常的に腹式呼吸を行うことで、ストレスレベルの低減、睡眠の質の向上、そして全体的なリラクゼーションを促進することができます。呼吸が浅くなりがちな人は、少しの時間だけでも腹式呼吸を意識してみることをお勧めします。

シニアの「フレイル」の改善に瞑想

瞑想は「今この瞬間に意識を向けること」で、呼吸を整えて自分の内面と深く繋がります。近年、病気や健康に対して瞑想が良い影響を与えることについて研究が進み、科学的根拠も発表されています。瞑想がストレスの軽減、不安やうつ症状の緩和、さらには生活の質の向上に寄与することが明らかにされています。シニア層の精神的なリスクにも良い効果が期待できます。また、瞑想には活力を高めることにも働きかけます。加齢に伴い心身が衰えた状態を「フレイル」と呼びます。「心のフレイル」は認知症へのリスクを、「身体のフレイル」は足腰の弱りを、「社会性のフレイル」は外出が億劫になり引きこもりや社会からの孤立を意味します。瞑想は、ストレスを減少させることで心のフレイルの改善に直結し、その結果、身体活動の促進や社会参加への意欲向上にも繋がり、身体や社会性のフレイルにも良い影響をもたらします。瞑想会や講座への参加は、社会性のフレイルを改善する手段としても有効です。

春の不調を楽にするセルフケア

不調を予防・改善するために、無理せず簡単にできる３つの方法をご紹介します。 （１）朝、少しの時間でも外の空気を吸う：朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされ自律神経のリズムも整いやすくなります。光を浴びると、幸せホルモンと呼ばれるセロトニン分泌も促されます。朝、窓を開けたりするだけでも良いので光を浴びて風を感じてみてください。（２）人に会って話を聞いてもらう：出かけるのは面倒と思っていても、気の合う友人と会っていると、ただ会話しただけなのに元気が出た！という経験した人は多いはずです。「相手も忙しいのでは？」と配慮しているうちに人間関係は遠のいてしまいます。心置きなく話せる友人と会う時間をつくると、心身ともにリフレッシュできます。できれば直接会えるといいですね。（３）寝る前の３分間の深呼吸：眠ろうと布団に入っても、神経が高ぶっていたり、不安なことを考え続けたりしてしまい、なかなか眠れない・・・。と、困ることありませんか？そんな時は、目を軽く閉じ、ゆっくりと深呼吸をくりかえると、自然に眠りにつきやすくなります。体に入っている余計な力を抜いていく意識で、鼻から息を吸って口から吐く、深呼吸を３分間ほど繰り返すことを試してみてください。睡眠の質をU Pの習慣に良いです。

まとめ

春は環境の変化に伴い自律神経の乱れが引き起こされやすくなり、メンタル不調を感じる人も少なくありません。意欲の低下や倦怠感、頭痛といった不調が現れやすいとされています。シニアの方々にとって、適切な呼吸法は不調を和らげ、健康と活力を維持するための鍵です。生きるために大切な呼吸を意識して、心と体を健やかに整えましょう。シニア市場のビジネスを「もっと詳しく知りたい！」 という方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。