コラム

新年度の始まりと共に、多くの人が学校や職場で新生活を迎えています。この季節の環境変化は緊張感をもたらし、疲れを感じさせることもありますね。しかし、春は学生だけでなくシニアにも新たな学びの機会を提供します。「学校を卒業したら学びは終わり」という時代は過去のものとなり、シニア世代にとって、「学び直し」のリスキリングを通じて新しいスキルを学び、趣味や生活の質を高め、第二のキャリアを築くことが可能です。2025年問題を見据え、シニアの健康と活躍を支える新サービスの提供が進んでいます。今日は、これら新時代のサービスモデルを探ります。

シニアための「学び直し」とは？

私たちを取り巻く社会は、驚異的な速度で変化し続けています。特に、Chat GPTを始めとする生成AIの登場は、これまで「AIが人間の仕事をするなど映画の中の話」と思われていた認識を根本から覆していますよね。今や大人も子供も当たり前のように日常業務や勉強に生成AI を活用しています。「自分の仕事がAIに取って代わられるのではないか」と不安に思う人がいてもおかしくありません。しかし、これは何歳になっても「時代に適応する力」を磨くことが大切な時代の到来を意味しています。シニア世代におけるリスキリングの重要性は、日に日に高まっているようです。つまり「学び直し」は、新しい技能や知識を身につけ、現在の職業や新たな分野で必要とされるスキルを更新するプロセスです。現代の職場環境の激しい変化に対応し、キャリアの持続可能性を高めるために重要な取り組みとなっています。長寿化に伴う生活の質の向上と、定年延長による就労機会の拡大が背景にあります。特に、ITスキルやデジタルリテラシーの習得は、新たな職業選択や趣味活動に大きな影響を与え、シニアの生活の質を向上させるための鍵となります。

学習療法とKUMONの脳トレ

公文教育研究会は2023年10月、中高年及びシニア世代を対象に「KUMONの脳トレ」という個人向けサービスを開始しました。学習療法として音読や計算といった教材を用いて、定期的な認知機能測定を通じて脳の健康をサポートし、認知症の予防に役立てる内容です。シニアの潜在的ニーズを理解し、適切なサービスを提供することで、活力ある豊かな老後を実現することが可能になります。そのために、様々な産業が連携し、包括的なサポートシステムを構築する必要があります。これらのサービスが広く普及するためには、政府や地方自治体、民間企業、教育機関が協力し、総合的な支援策を推進することが不可欠です。実際に、KUMONは20年以上にわたり、認知症の予防・進行抑止・改善を目指したプログラムを高齢者介護施設や自治体等へ提供して、その経験を活かしてサービスを展開しています。

コクヨの自習室と子供たちへの影響

コクヨが提供する「STUDY WITH Campus 自習室」は、集中しやすい環境と質の高い学習サポートを通じて、子供たちが自ら学ぶ力を身につけることを目的としています。この自習室では、大学生チューターが常駐し、学習や進路に関する質問に対応します。場所が気持ちを切り替えさせ、中高生に自律的な学習習慣を育む手助けをしています。この取り組みは、将来的に教育への取り組み方を形作ります。KUMONの脳トレやコクヨの自習室のようなサービスは、それぞれの世代が直面する課題に対応しつつ、新たな学習の機会を提供することで、年齢に関わらず全ての人々が活躍できる社会を目指しています。シニア向けの新サービス開発においては、年を重ねても社会と繋がりを続けることを可能にする支援が重要です。シニア世代にとっても新しいスキルを身につけ、生涯にわたって学び続けることができる環境を整備することで、すべての人が尊重される社会を目指す重要なステップとなります。

2025年問題とシニアマーケティング

2025年問題を耳にしたことありますか？2025年には、団塊の世代が全員後期高齢者になると予測され、日本はさらに超高齢社会を迎えます。この大きな社会的変化に対応するため、シニアに焦点を当てたマーケティング戦略が重要性を増しています。シニア向けの健康支援サービスや学習プログラムは、この市場での新たなビジネスチャンスを創出しています。2025年問題は、国民の4人に1人が後期高齢者となり、労働人口の減少と社会保障の負担増大が予想されています。また、ビジネスケアラーへの配慮と介護と仕事の両立支援も必要です。2025年問題は、日本社会全体に影響を及ぼす重要なテーマとなり、幅広い対策が求められています。

まとめ

シニア世代に特化したサービスは、ライフスタイルや健康を支えるだけでなく、社会全体の持続可能性に貢献するものです。今後も技術の進展とともに、これらのサービスはさらに進化し、より個々人のニーズに合った形で提供されることが期待されます。学び続けることの重要性を認識し、各年代に適した教育プログラムを展開することが、未来の社会を支える鍵となるでしょう。シニア市場のビジネスを「もっと詳しく知りたい！」 という方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。