コラム
シニアへ届ける「体験と心のギフト」戦略

- 2025.05.07
- シニアマーケティング
5月の母の日、そして6月の父の日。感謝の想いを伝える機会が続き、家族との絆を深める絶好のタイミングでもあります。これまで「モノ」を贈ることが主流だったギフトも、令和時代を迎えた今、「体験」や「心のこもった時間」を贈るスタイルへと変わりつつあります。特にシニア世代に向けては、デジタルにはない紙の温もりや、実際に体験を共有することが、より深い感動を生み出します。今回は、母の日・父の日に向けた新しいギフト提案と、これからのマーケティング戦略について考えていきます。
「モノ」より「体験」へ新しいギフト提案
モノが溢れる時代において、シニア世代にとって本当に嬉しい贈り物とは何でしょうか?最近注目されているのは、手に取れるモノ以上に、心に残る「体験型ギフト」です。たとえば、家族との食事会、共に笑いながら参加するワークショップ、思い出の場所をめぐる近場への小旅行など。大切なのは、何を贈るかではなく、誰とどんな時間を過ごすか。物質的な贈り物では味わえない「一緒に過ごした時間」や「共有した思い出」が、心に温かな記憶として深く刻まれます。母の日、父の日、それぞれのタイミングで、「あなたと過ごす時間」というかけがえのないプレゼントを贈ってみてはいかがでしょうか。旅行業界や体験型サービスを提供する企業にとっても、家族で体験を共有するギフト提案は、単なる商品提案にとどまらず、未来に残る思い出づくりをサポートするブランド価値の向上につながるでしょう。
無理のない「心地よい時間」プレゼント
忙しい子世代にとって、親と過ごす時間を意識的に作ることは簡単ではありません。 そんな中で、母の日・父の日をきっかけに「一緒に過ごす、ゆったりとした時間」を贈る提案は、とても喜ばれます。たとえば、季節の花を見に行く小さなお出かけや、家でのんびり過ごすティータイムなど。特別な準備や高価な贈り物でなくても、共に過ごした穏やかなひとときは、かけがえのない思い出になります。無理のない形で「一緒に過ごす提案」をすることで、家族の絆を再確認するきっかけになります。飲食店やレジャー施設にとっては、親子でゆったり過ごせる限定プランの提案が、来店動機の強化につながるでしょう。
「学び」や「チャレンジ」を贈る応援
シニア世代は、今やアクティブに新たな挑戦を楽しむ時代。母の日・父の日には、「新しい学び」や「チャレンジの機会」を贈るのも素敵な選択肢です。たとえば、カルチャースクールの受講チケット、趣味を広げる体験教室、オンライン講座の案内など。新しい世界に一歩踏み出すきっかけを贈ることは、自分自身をアップデートしていく喜びを届けることにもつながります。年齢にとらわれず、「まだまだやれる」という自信を後押しするギフトは、きっと長く心に残るでしょう。贈る側にとっても、相手の未来を応援する温かい想いがかたちになります。教育サービスや趣味関連企業にとっては、母の日・父の日に合わせた特別企画やキャンペーンを展開することで、「学び続ける人生」を応援するブランドイメージを高める絶好のチャンスとなります。
「伝わる」紙メディアの力を活かす
SNSやアプリが主流の時代ですが、シニア世代には紙の持つ温もりが響きます。 手書きのメッセージカード、旅先からのハガキ、手作りのアルバム。どれも、受け取った人の心に深く残り、言葉以上の想いを伝える力を持っています。神開隆一著の『紙から始まるシニアマーケティング』でも、紙媒体が持つ「信頼感」と「安心感」の重要性を語っています。デジタルに頼りすぎない、あえて紙に想いを乗せるギフト。母の日、父の日、それぞれに心を込めた手書きメッセージを添えてみてはいかがでしょうか。ギフトショップや文具メーカーにとっては、手書き需要をサポートする商品・サービス提案が、シニアマーケット攻略のカギになります。
まとめ
母の日、父の日は、単なる贈り物を渡すイベントではありません。これからの時代に求められるのは、「体験」や「心の交流」を贈るスタイル。家族との共有体験、新しい学びへの応援、そして紙に込めた想い。これらがシニア世代に届ける最高のギフトとなり、未来へとつながる絆を育んでいきます。企業にとっても、単なる販促の枠を超えて、「心を届けるマーケティング」を意識することが、これから選ばれるブランドへの道となるでしょう。家族の笑顔を広げるきっかけを、ぜひ一緒に創っていきましょう。シニア市場をターゲットにしたビジネスの展開に興味がある方は、どうぞお気軽にご相談・お問い合わせください。