コラム

コロナ禍が長期に及ぶ厳しい状況の中、医療現場の最前線でご尽力されている皆様へ感謝と敬意を表します。３度目の発令された緊急事態宣言が延長されて、感染拡大を防止する唯一の切り札である新型コロナウイルスの高齢者向けワクチン接種が開始されました。予約受付の混乱や感染予防対策にデジタルシフトせざる得ない時代です。今、注目される「デジタルシニア」を取り上げてお話します。

デジタルシニアとは？

「デジタルシニア」って聞いたことがありますか？スマートフォン（スマホ）やパソコン等のデジタル機器を使いこなし、インターネットを通じたコミュニケーション能力に長けたシニアのこと言います。デジタル機器は若い人たちだけでなく、今やシニア世代の間でも一気に普及しているのが実状です。このような「デジタルシニア」は消費行動が活発なうえに、流行に対する感度が高く、社交的であると注目されています。一方で、敬遠されるシニアもいるデジタルサービスですが、新型コロナウイルスの感染予防対策の1つとして需要が高まっています。とは言え、ワクチンの接種予約が本格化する中、不慣れな予約方法に戸惑う高齢者の“ネット弱者”をサポートするため、自治体が知恵を絞っても混乱が続いる状況下であります。その予約をスムーズにするために、神戸市では学生のアルバイト（時給１,080円）を募り、「お助け隊」になってワクチンの予約をサポートして対応がテレビのニュースでも取り上げられ話題にしていました。コロナ禍でアルバイト先も減って苦しい生活を送る学生支援にもなる取り組みです。

シニアとビデオ会話の研究

高齢化社会の中で孤独や不安を抱える方や、お話し相手を探されているシニア世代が数多く存在します。コロナ禍の感染拡大によってお篭り生活を強いられたことで、 家族や友人と直接対面で会いづらい状況も続いています。そんな中で、ウェスト・ロンドン大学が、５０歳以上の男女１万１４１８人を対象に調査した研究結果が発表されました。なんと、ビデオ通話サービスで会話することが認知症の影響を食い止めることにつながる可能性があることがわかったそうです。研究によれば、定期的なコミュニケーションは長期記憶の維持に役立っており、オンラインのサービスをよく利用する高齢者は利用しない高齢者と比べて記憶力の衰えが少なかったというものです。特に、より伝統的な手法をインターネットでの活動が補うことで、高齢者により良い影響が出る可能性があるそうです。家族と会えなくても顔を見て会話するだけでシニアの方にとっては心強いですよね。

デジタルが生活の質を向上

コロナ禍によって世界中の人が苦しく厳しい状態を、インターネットを利用することで多くの不自由が解消されたりして、心の支えにもなっています。それはシニア世代にも同様で、インターネットで情報収集やネットショッピングにキャッシュレス決済が増えている現状から、シニアにとってもデジタルシフトにつながったというわけです。 ウィズコロナ時代に求められる「新しい生活様式」では、スマホなどのデジタル機器が生活の質を向上させる重要な役割を担うことが期待されています。シニア世代はアプリやスマートフォンなどデジタル機器の操作に不慣れな点もあります。しかし、シニア世代の方は新知識や情報などへの意欲があり学び好きな特徴もあります。何より、シニアたちがデジタルへの一歩を踏み出すきっかけになっているのは、愛おしいお孫さんの存在ではないでしょうか。実際に、「孫の写真を見たい！孫と話したい！」という欲求が、シニアたちのデジタル化に一役買っていることは事実です。

シニアの伸び代にチャンス

「デジタルシニア」と言われる人たちは、インターネットやメールなどのデジタルを通して仲間を増やし、新たな絆づくりを積極的に行っています。もちろん、すべてのシニアがインターネットを使いこなせているわけではなく、「使いたいけれど使い方がわからない」という声は多く聞きます。スマホの所有率は若い年代では飽和状態にありますが、シニアはまだ伸び代があるということです。文字の見やすさ、操作性の良さからタブレットも伸びているようです。老眼や指先の動きの鈍化など身体能力の衰えにより、モバイル端末での入力操作のしにくさを訴えるシニアは少なくありません。こうした加齢からくる不自由さを、音声による操作に頼っていると考えられます。そこに着目したサービスも生まれています。まだまだシニア特有のインサイトやニーズを理解することで、シニアに適したコンテンツ、インターフェースやアプリ、フォローのためのサービスメニューの開発や提供など、デジタル領域におけるビジネスチャンスはあるのではないでしょうか。

まとめ

今後は、ますます生活の中で自然にデジタルに触れる機会が増えると考えられます。人生100年時代！デジタルで新しい絆づくりに役立てて豊かにしていきたいものですね。目指せ「デジタルシニア」をテーマに、シニア目線を大切にしたシニア向けマーティング戦略は注目です。 シニア市場のビジネスを「もっと詳しく知りたい！」 という方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。