コラム

コロナウィルス感染拡大の波が繰り返されて、緊急事態宣言が何度も延長される事態になっていますが、どんな過ごし方をする人が多いのでしょうか？いつもなら、お祭りにイベントで賑わう夏のはずが、万が一の感染リスクを避け帰省しない家族もいることでしょう。毎年、お盆や夏休みに子供や孫に会うことを楽しみにしているシニア世代にとっては、家族に会えないのは寂しいことです。今日は、「会話」をテーマにお伝えします。

シニア向け会話人形

コロナウイルスの影響で、重症化しやすいシニア層は外出の自粛を強いられ、人と会って話すことが難しい状況です。誰とも会話ができない状態が続くと、うつや認知症の心配もあります。それを打破しようとサービスや商品が販売されています。なかでも、注目したいのは、玩具メーカー大手のタカラトミーさんが手掛けるシニア向けの人形型ロボットとされるコミュニケーション人形です。大きな特徴は、AIを活用した画像認識チップで持ち主の顔を認識し孫のようにしゃべりかけくれ、会話やひとり言が楽しめる「音声認識人形」だということ。会えない子供や孫を思い出し一抹の寂しさを感じているシニアへ向けて、いたわってくれたり、励ましてくれたり。季節の話題や歌をいっしょに楽しんだりできるそうです。ちなみに知人の看護師さんの話によると、老人施設の現場で、人が話しかける音に反応する動物の人形を用意したところ、利用者様が笑顔で楽しそうに名前を考えたりして盛り上がったそうです。シニア層にとって、ちょっとした会話であっても、気持ちを明るくさせるような「おしゃべり人形」のような製品は社会的に意義がありますね。

シニアと「推し活」とは？

今、注目されている「推し活（おしかつ）」をご存知ですか？推し活とは、イチオシの人やモノを応援する活動のことを指します。その「推し活」では応援対象を「推し」と呼び、深くハマることを「沼に落ちる」と表現されています。さらには応援の対象は、アイドルや声優・俳優のみならず、力士からユーチューバー、ゆるキャラなどにも及びます。現代の経済を語る上で欠かせないキーワードとなり、関連商品も続々発売されるなど、盛り上がりをみせています。どうやら、これは若者たちだけの話ではなく、時間とお金に余裕のあるシニアこそ、最大限に楽しめる可能性があり、推し活を満喫しているアクティブシニアの方も存在します。

推し活の主なメリットを３つ挙げると

（１）気力・体力・行動力が上がる

（２）身だしなみに意識が高まる

（３）会話が増え前向きになれる

これらの要素は、若々しくいるために不可欠なことです。ストレス社会と言われる現代に何か心の拠り所を作っておくのは、自分のメンタルを維持する上でも重要なことなのかもしれません。シニアの「推し活」はビジネスチャンスもありそうです。

懐かしさに訴える効果

「あ、これ懐かしい」と呟き、つい商品を購入してしまう…。そんな経験ありませんか？人は「懐かしいなぁ…」と昔の楽しかった思い出に浸ると、心が落ち着つく心理が働きます。実は、過去を回想することによって、精神安定や認知機能の改善が期待できるといわれています。これは『回想法』と言って、認知症のリハビリテーションに用いられる手法の一つです。会話しながら人生を振り返ったり、写真や映像を見て過去を思い起こすことで、気持ちの安定やコミュニケーションの活性化に繋がります。昔の感情が蘇って心が動くと、脳は活性し血流がアップして、認知機能も高まります。懐かしいものに接することで脳の健康に役立てることができるわけです。どういうアイテムや方法を使って、どんな記憶を心に描かせるか。それを考えることは、購買意欲を刺激し興味をもってもらう大きな武器となります。

長寿を祝う敬老の日

毎年やってくる９月の第３月曜日は「敬老の日」です。２０２１年は９月２０日（月）となります。日本で生まれた記念日です。子供や孫と離れて暮らしているシニアの方は、このコロナ禍でなかなか会えない日が続いていることでしょう。大切な人を守りたいからこそ我慢する日々です。だからこそ、感謝する気持ちを思い出させてくれる祝日でもあります。既に商戦は始まっていますが、消費者の意識は9月に入ってから準備するのが一般的です。「敬老の日」に向けたギフト商品やサービス、キャンペーンなどの準備を積極的に行なって、イベントを盛り上げたいところです！

まとめ

今は急激な変化と情報があふれている混沌とした時代です。どんなに時間をかけて作った商品やサービスも、ほんの少しでも「つまんない」と思われたら、お客様は離れてしまいます。逆に、「面白い！」と思われたら、一気にシェアされて、バズる時代でもあります。日本を支え作り上げてきたシニア世代の方たちに、世代を超えた楽しいコミュニケーションのきっかけが多くなることを願います。シニア市場のビジネスを「もっと詳しく知りたい！」 という方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。